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	■2008/12/19(金)　��185　ひとつのテーマに徹するということ 　先日、東大阪の「司馬遼太郎記念館」を訪れる機会がありました。司馬さんは、言うまでもなく、日本人の生き方、生きざまをいろいろな角度から検証され、自分なりの独特な見方で描ききった日本が誇る代表的な作家です。司馬さんの素晴らしさは、もちろんひとことで語りつくせるわけはありませんが、あえて言うとすれば、「ひとつのテーマについての徹底した研究への一途さ」と、私は考えています。ひとつのテーマについて、とことんまで調べつくして、そのほんの一部の本質を小説や文章にしていくという準備とその行動力のすごさに驚かされます。その準備の証拠のひとつとして、「司馬遼太郎記念館」には、生前、司馬さんが資料として集められた書物などがびっしりと壁面全体をおおっています。それは、１階、２階の吹き抜けになっており、１階から見ても２階から見ても、まさに巨大な本のビルといった感じさえします。この本の量を見るだけでも、司馬さんがひとつの本を書き上げるまでの強い執念を感じざるを得ません。司馬さんについて有名な話に、「司馬さんが神田の古書店街に行くと、ひとつのテーマについての本が全てなくなり、トラックで自宅に運ばれたそうだ」というものがあります。この話がどこまで大げさかどうかはわかりませんが、それが大げさに思えないほど司馬さんの仕事には感服することが多いのも事実です。司馬さんの原稿は推こうを重ねて、練って練ってそぎ落とすもので、その作業のあとがすさまじいのも、それを感じるひとつの理由です。司馬さんの本に、「２１世紀に生きる君たちへ」というタイトルの子ども向けの書物があります。一部の小学生の国語の教科書にも載った文章です。この文章を書き終えるのに、司馬さんは相当な日々と推こうを重ねられたとの話を聞きました。この文章には、２１世紀に生きる子ども達への強い期待と激励が詰まっています。今、もし司馬さんが生きておられたら、現在の日本や日本人を見てどのようにコメントされるか聞けるのですが、残念ながらすでに亡くなられています。私たちは、そのコメントをこの「２１世紀に生きる君たちへ」の中から読みとることしかできませんが、それゆえにこの本は貴重な１冊です。「何が、２１世紀に生きる子ども達にとって大切なのか？」今一度、この問いを考える時に、この本を手にとって読むことも大変価値のあることだと思っています。司馬さんの素晴らしさが、ひとつのテーマについて徹底的に研究していくことではないか？と始めに書きましたが、現在、活躍している人物にも共通している点が多く見られます。それは、スポーツ界で言えば、イチロー選手、浅田真央選手などの多くの一流選手であり、ノーベル賞を授賞された先生方も例外ではありません。私たち大人は、現在のような混乱の続く社会の中でどう生き抜いていくかを、子ども達に指導する時、「ひとつのことを徹底的に研究することが重要である」ということを改めて指導してあげるべきではないかと感じています。		2024年4月 日 月 火 水 木 金 土 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 過去の日記 2024年04月(2) 2024年03月(2) 2024年02月(1) 全て表示 日記内を検索

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