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■2010/07/02(金)　№324　ワールドカップサッカー日本代表から学ぶもの

　今回のワールドカップ南アフリカ大会は、惜しくも日本はベスト８進出ならずで、昨日、日本チームは帰国しました。私には、いろいろなことが学べ、新たに教えられることも多い大会でした。ひとりひとりで学べることは違うと思いますが、まず一点目は、「一体感の重要性」ということです。カメルーン戦に入るまでのテストマッチは４連敗でどうなることか？と気をもみましたが、その４連敗を危機感に変え、一体感の重要性に気づかせたとしたら、結果的に価値のある４連敗でした。これは、失敗から何を学ぶか？どう成果を出していくか？ということが大切である良い例になったように思います。二点目は、「守備に徹したこと」です。一般的に守りの強いチームは良いチームといわれていますが、まさにこの大会は守りの勝利だったように感じます。前回監督のオシム氏の口癖は「走れ」。岡田監督も「相手より１ｋｍ多く走れ」と指導。ＦＩＦＡの公式サイトによると、日本の走行距離は９０分当たり、出場３２チーム中９位だったとのこと。私は、走る力が守備を支えたのではないかと思います。守備で特に注目されたのが、ＧＫの川島選手のファインプレイです。私は、川島選手がいなければおそらく負けていたであろうゲームもあったのではないか？と思っています。さらに、そのＧＫを守るディフェンス陣の好守備も光りました。三点目は、「攻撃力」です。特に、本田選手の活躍は素晴らしいものでした。数少ないチャンスを決めるプレイヤーが優秀なプレイヤーだと思いますが、まさに本田選手はその代表格ともいえるのではないかと感じました。私は、カメルーン戦での松井選手のゴール前のセンタリングを見事に本田選手がゴールしたことで、今回の日本チームはパワーアップしたように思います。さらに、オランダ戦でも一点しか取られなかったこと。デンマーク戦では、本田選手、遠藤選手がフリーキックで見事ゴールに成功したこと。そして、パラグアイ戦では、延長を含め２時間を戦い抜いたこと。最後はＰＫで駒野選手のボールが惜しくもバーに当たり敗北に終わりましたが、周りの選手が温かくフォローしたことなど、ゲームに勝つこと以上に大切なことがあると改めて私たちは教えられたのではないでしょうか？そして、何といっても岡田監督が大変なプレッシャーのもとでチームを率いたことです。１９９８年へのワールドカップ大会に向けて初の指揮をし、好結果が出ず、危険を感じ自宅をパトカーで警備されたこと。「勝てなかったら日本には住めないから覚悟してくれ」と夫人に電話していたことなど、岡田監督としても大変な中のチームづくりをしながら、その年、岡田氏は、自宅のカレンダーの「底まで落ちたら地に足がつく」という標語を見てふっきれたとのこと。このような、１３年前の経験を経て岡田監督は、相当強い精神力で今大会に臨んだのだと改めて知りました。又、精神の強さは「心」、世界に通用する技術は「技」、そして走る力を含めた体力は「体」、この「心・技・体」のバランスがよりよい成果を出すのだなと教えられました。今大会は、日本の子ども達にはもちろん、多くの日本人に、勇気と普段の努力の重要性を教えてくれたのではないかと感謝の気持ちでいっぱいです。

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