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■2014/10/17(金)　№550　大阪市の「部活委託と指導者」

　このたび大阪市は、来年度から市立中学校の運動部の活動について、教員の負担減などを目的に部活指導を外部委託するモデル事業を始める方針を決定したということです。予算面や人材確保などの課題も多く、橋下市長は一部で施行しつつ、民間指導者を登録する「人材バンク」制度創設といった周辺環境の整備を進めることなどを指示したとのこと。

　これが決定した協議では、賛否両論あった模様で、「勝利至上主義」に陥るのではないか？というような声も聞かれたようです。これらについて橋下市長は、「一流の指導者は、技術だけでなくコミュニケーション能力や忍耐力の育成、リーダーシップ論などの指導もできる」などとして、委員に理解を求めたとのこと。

　ちょうど、このような時期と重なり、春夏計７回の全国優勝を誇る高校野球の名門ＰＬ学園野球部が、来年度は新入部員を受け入れないことが関係者の話でわかりました。ＰＬ野球部は監督不在が続いており、「十分な指導ができない」などとして受け入れ停止を決定したとのこと。再来年度以降の受け入れについては未定だということです。ＰＬ学園の今回の決定にはいろいろな経緯で監督が退任した後、後任が決まらなかったことが原因のようですが、高校野球ファンにとっては残念なことです。

　このＰＬ学園を含め、前述の外部委託の指導者についてですが、どのような人物が適任と言えるのでしょうか？もちろん、その競技についての技術的な能力がたけていることは条件でしょうが、一流のプレイヤーが一流の指導者かどうかは別の話です。ここに指導者の難しさがあります。

　例えば、勉強が出来て偏差値の高い子どもが将来良い先生になれるかどうかは別だということです。それは、自分は出来ても、わからない子どもにどのように理解させるか？説明できるか？という言語力、コミュニケーション力が不可欠になるからです。スポーツに置き換えると、なぜその練習をするのか？どのくらいすれば良いのか？など、指導者が分析をして適切に子ども達に説明する力が必要です。つまり、スポーツ指導者には、分析力や説明力などが求められるわけです。

　又、ひとりひとりの子どもの特長や個性をよく見極め、その子どもにあった練習方法や役割を適確に指示できるかという問題発見力や判断力も求められます。勝利の為だけに部活の指導をするのではなく、これら問題発見力や分析力、説明力、判断力などさまざまな重要な能力がスポーツにはもちろん、今後人生や社会を生きる上で必要だということも合わせて指導できるかどうかが本当に有能なスポーツ指導者と言えるのでしょう。

　私はこのブログを書いていて、プロ野球の元監督野村克也氏が目に浮かんできました。今回の大阪市のチャレンジでどのような成果が出るのか期待したいものです。

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