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■2016/05/06(金)　№587　全国学力テストで問われる力

　今回は、4月に行われた全国学力テストについて考えてみたいと思います。全国学力テストとは、2007年から全国3万校以上の小学校6年生と中学校3年生を対象に年に1回行われる算数、数学と国語、理科のテストのことで、その考え方により大きく2つの問題にわかれています。

　1つはいわゆる基礎学力を問うA問題、2つ目は思考力や活用力を問うB問題です。特に、現在進行中の教育改革ではこのB問題の考え方を中心とし1人1人の考える力や活用力を重視しようという動きが進んでいます。

　今回のテストにおける実際の出題例を考えてみましょう。例えば中学数学B問題ですが、その５番の問題にボウリング場での貸し出し靴の総数を調べ棒グラフにして出題されています。この過去の貸し出し靴のデータからどのサイズの靴を何足揃えば良いか？というのを考えてみようというのが問題となっており、ここでは貸し出された靴のサイズの平均が24.5Cmだったが、この靴を最も多く買っても良いか？という問題となっています。実は、棒グラフでは25.5Cmが1087足、一方24.5Cmは182足しか貸し出されていません。棒グラフ上の20.0Cm～28.0Cmまでの平均をとると24.5Cmだという事にすぎず24.5Cmが最も多く貸し出しされているわけではないのですが、いわゆるひっかけ問題となっているのです。

　中学国語Bでは宇宙エレベーターの記事を読んで、自分が疑問に思ったことを２０～４０字で書かせるという問題です。宇宙エレベーターとは高度3600Kmの位置に宇宙ステーションを建設し、そのステーションから地球の地上に向けてカーボンナノチューブというつつのようなチューブを伸ばすと地上と宇宙を結ぶ1本のトンネルができるという構想です。このケーブルの中をモーターで動く昇降機（エレベーター）をつけて人や物品を運べるようにするというのが宇宙エレベーターだということです。これらの記事を読み自分が疑問に思ったことを質問にしなさいというのが問題です。この質問には、条件があり「なぜ」「どのように」「どのくらい」ということばの中から１つ選び質問をつくらなければいけないというルールとなっています。

　さらに２つ目の質問は、この宇宙エレベーターについて調べるとすると図書館でどのようにさがすか？という問題でこの探し方を2つ書きなさいというのが問題です。このように自分はどのように考えるか？ということが問われるのがB問題です。現在の教育改革ではこのように自分らしく考え書いたり、意見を言う力を重視しようという流れとなっています。その意味で、2007年から始まった全国学力テストB問題の意図もようやく理解されはじめたように感じます。

　オンリーワンスクールが13年前からこのように自分らしく考え書いたり、意見がいえる学習法が大切だと考えスタートしたことがようやく市民権を得はじめるのかな？と少しうれしく思っているところです。

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