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■2016/09/30(金) 597 「大阪市の23区が学校名を公表!」を考える
 先日、私は大阪市の23区が、23区内の市立中学校の高校への進学実績を「学校案内」に掲載し、来年進学を控えた各家庭に配布したとの新聞記事特集を読みました。このように、公立中学校が進学先の高校名や進学者の数を公表するのは全国でも異例だとのこと。この背景には、かつての橋下市長が2014年度から、居住区の校区と異なる小中学校を選べる「学校選択制」をスタートしたことがあるようです。

 記事には、学校選びの参考にしてもらうとともに、学校同士が競い合うことで学力向上につなげるねらいがあるとのことです。確かに、学校名で選ぶのはわかりやすくて簡単ですが、「進学実績だけを選択基準にすべきではない」との声もあがっており、私も同様に、この公表には大きな違和感を感じています。

 又、淀川区役所で開かれた学校選択制に関する説明会にて「今年の学校案内は保護者のニーズに応えた。ご家庭の価値観で学校をお選び頂きたい」と、淀川区長は呼びかけられたとありますが、果たして学校名を公表することで、ご家庭の価値観やニーズに応えられるのでしょうか?学校名よりもっと重要な各学校の教育方針や考え方、アクティブラーニングなどの新しい授業方法、めざす人物像、他校との違いなどを詳しくわかりやすく伝えなければ、総合的で客観的な価値観に照らし合わすことはできないはずです。学校名は全体の一部の情報であり、それで学校の本質がわかるとは思えません。

 そもそも、このような、学校名を参考にした選び方が本来の豊かな学力(人間力)にどれほどつながるのでしょうか?今まで中心だった答えがひとつの偏差値や暗記のような一部の学力だけではなく、本来の学力とは、ひとりひとりの問題発見力、分析力、表現力、行動力、主体性、コミュニケーション力など、人間らしく深く考えた力の総合力だと考えられます。

 記事によると、これまで大阪市教育委員会は、進学実績の公表可否や掲載方法について学校案内を発行する各区長の判断に委ねたとのこと。当初は、中学校長の中で反対意見が広がっていたが、大阪市の吉村市長が公表を促すと、各区長は校長や保護者と再協議し、8月下旬までに23区が進学実績の公表を決めたということです。

 私は、2つの点で今回の学校名を記載した学校案内には問題があると考えています。1つは、学校名というブランドや世間体をまだまだ気にする日本社会で、学校名を公表することが保護者の適切な判断をゆがめてしまうのではないか?という点です。

 例えば、これまで各地で講演会やセミナーなどを多少行った私の実感で言うと、以前よりは少なくなったとは思うものの、ある一定数の人々はまだまだ有名校・有名大学神話を強く信じておられるように感じます。その保護者の気持ちが今回の学校名公表により、やはりかつての有名校神話を助長させてしまう可能性があるという点です。

 2つ目は、そもそも中学校から高校、ひいては大学と、最近の文部科学省の教育改革の流れを通して見ると、重要な学力は「アクティブラーニング」に代表されるように、主体性やコミュニケーション、課題解決力など、機械にできない人間らしい学力であって、かつてのテストで重視された答えがひとつで暗記中心の学力ではないということです。

 しかしながら、今回の学校名公表は、主に従来のテスト内容を前提にしたものと予想され、「AIやロボットの登場により、機械で簡単にできる暗記力の重要性が確実に減ると思われるこれからの時代」や「国の教育改革」に対応した適切な判断とはいいがたいと私は考えています。

 以上、私見を述べましたが、今回の学校名公表がこれからの社会を生きる生徒たちにとって適切なものか、皆さんはどのようにお考えになるでしょうか?

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